『マイキー&ニッキー』顛末記2

slowlearner_m2011-01-30



それから何年が経ったでしょうか。
2度目に交渉したのは、ちょうど長崎俊一監督作品『闇打つ心臓 〜Heart, Beating in the Dark』を配給している時でした。
これは、今回一緒に『マイキー&ニッキー』のプロジェクトを組んだオフィス・シロウズとの仕事です。2006年から7年にかけてのことでした。
『闇打つ心臓 〜Heart, Beating in the Dark』は、1982年に長崎俊一監督が作った8mm作品の傑作『闇打つ心臓』を発端に、リンゴォとイナコの23年後の姿と、その二人を演じる二人の俳優たちの姿をダブらせたフィクションなのですが、8mmの『闇打つ心臓』は、私にとってもとても思い入れのある作品でした。

だから最初に試写で『闇打つ心臓 〜Heart, Beating in the Dark』を見せていただいたとき、客観的な感想よりも、自分にとっての23年間に思いがいってしまい、とてもいろいろなことを考えてしまったのです。



だから、というわけではありませんが、『マイキー&ニッキー』の2回目の交渉をしました。
Switchの編集者であった松田広子さんは、篠崎誠監督作品『おかえり』のプロデューサーや映画美学校を経て、オフィス・シロウズで、塩田明彦監督作品『カナリア』や熊切和嘉監督作品『アンテナ』などを作っていました。松田さんといろいろ話をする中で、やはり『マイキー&ニッキー』の話になり、佐々木史朗さんがOKしてくれたので、アスキングを始めたのだと思います。
交渉してくれたのは、今回と同じアストロノーツ・フィルムのAさんです。

しかし、この時も、わたしたちが予想していた以上の値段の提示があり、それではとても採算をとることができない、と判断して、この話もお流れとなりました。




今回ばかりは夢が叶うかのように思えたのですが…なかなか上手くはいかないものです。