『マイキー&ニッキー』顛末記1

slowlearner_m2011-01-29



以前もこのブログで書きましたが『マイキー&ニッキー』は、3度目の正直で交渉が成立し、日本での上映にこぎ着けた作品です。
日本での公開は初めてですが、ご存知の方も多いと思いますが、以前『裏切りのメロディー』のタイトルでレンタルのみビデオがリリースされていました。レンタルスルーというのでしょうか、レンタルビデオ・バブルの頃は、そんな作品が数多くあり、社内で字幕を作ったりしてビデオレンタル屋さんの棚に並んだものでした。

しかし、この作品のことを初めて知ったのは、あの松田広子さんが編集されたSwitchのカサヴェテス特集号です。



カサヴェテスの死の翌年に取材し編集したこの雑誌の、ピーター・フォークへのインタビューで語られる『裏切りのメロディー』=『マイキー&ニッキー』をすごく見たいと思ったのですが、残念ながらレンタルビデオ屋さんでも見かけることはなかったのです。

その『裏切りのメロディー』=『マイキー&ニッキー』のビデオを見せてくれたのは、やはり松田さんでした。
そして、この映画を是非プリントで公開したいと思ったのは、前の会社にいた頃ですから、もう10年以上も前の話です。その時は、ビデオのスクリーナー(サンプルビデオですね)が届き、交渉をしたところ、旧作でこちらでは値段が決めることができないので、そちらの都合のいい値段を言え、という解答。
早速安めに言うと、NOという返事が来て、結構高い値段を言われました。



別会社を介しての交渉だったので、交渉先がパラマウントであったかは分かりません。
しかし、ちょっと手が出ない値段でした。
その時もビデオ化からテレビ権に至るまでオールライツを数年の契約で購入しようと交渉していたわけなので、アメリカ映画の場合、権利がバラバラで、劇場公開権をクリアできても、2次使用(ビデオとかテレビとか)はクリアできないことがあるので、この頃から交渉の余地はあったのですね。

結局、値段が下がらず、その時は諦めることになりました。
これが一度目の交渉でした。