『マイキー&ニッキー』顛末記3

slowlearner_m2011-01-31



なかなか上手くいかないなぁ、とがっかりしながらも、『マイキー&ニッキー』はことあるごとに見直すビデオでした。
松田さんとも話すのですが、まるで低予算で作る映画の見本のような映画。
カサヴェテス自身が監督した作品とともに、この『マイキー&ニッキー』のように映画を作る事はできないのか、といつも思います。

2度目のチャレンジも不発に終った訳ですが、あとから調べると『マイキー&ニッキー』は、2007年のカンヌ映画祭のクラッシクスで上映されたのですね。配給元としては、それで高く売れると思ったのかもしれませんが、こちらは、そんなことは知らなかったので、安くオファーを出していたというわけです。金額が折り合わないのも当然です。

『闇打つ心臓』で出会った内藤剛志さんには、日向朝子監督の『森崎書店の日々』に出演して頂きました。その公開日の控え室で、内藤さんがカサヴェテスの作品が大好きで、当時、長崎俊一監督や諏訪太朗さんなどの仲間たちとカサヴェテスの映画のことをよく語り合ったと、熱く話してくれました。



そうか、あの当時の長崎監督の映画の背景には、カサヴェテスがいるのか、と、こちらもちょっと熱くなります。



長崎俊一監督の『九月の冗談クラブバンド』。
そういえば、シロウズにポスターが飾ってありましたっけ。
ポスターのイラストは石井隆さん。主演は内藤剛志さんです。



カサヴェテスのように映画が作れたら…もちろん真似では仕方がありませんが、そこから学んだ事をなんとか自分たちの映画作りに反映したいと、切に思います。
そういう意味でも、『マイキー&ニッキー』は私にとって重要な映画です。
カサヴェテスから学んだ事を、『マイキー&ニッキー』から学んだ事を、フィリップ・ガレル監督から学んだ事を、エリック・ロメールから学んだ事を、自分たちの映画作りに反映したい。自分たちのやり方で。これは真剣です。



“カサヴェテス・メモリアルナイト”を開催する映画美学校シアター(仮)に打ち合わせに行きました。ここは、渋谷ユーロスペースの1階下、今までシアターTUTAYAだった場所が、映画美学校の映画監督して生まれ変わるのです。