明日は川崎で。

slowlearner_m2011-01-03



明日は川崎市アートセンターで『海炭市叙景』は、初日の出割引です。
どなたも1000円でご覧いただけますので、お近くの皆さんは是非川崎アートセンターで『海炭市叙景』をご覧下さい。







『旗手たちの青春』を読みながら、織田作之助の『夫婦善哉』を読みます。
この小説が好きで何度となく読み返すのですが、掃除をしていたら龍昇企画公演『夫婦善哉』のチラシが出て来て、そのチラシの裏に書かれた平田オリザさん(このお芝居の戯曲は、織田作の『夫婦善哉』をもとに平田さんの書き下ろし)の文章が、これがまたよかったので読み返したくなったのです。


「初演時、龍さんには、『夫婦善哉』の夫婦のどうしようもない切なさだけを残して、あとはとにかく延々と料理の話を刷る芝居を作りたいと話をして、その通りの芝居を書いた。人間は、どんな悲しいときも、寂しいときも飯を食うのであり、心配でご飯がのどを通らないなどと言いながらも、やはり何かを摂取しなければ、私たちは生きていけない。
大阪は食い倒れの街と言われる。大阪の寂しさも面白さも、そして『夫婦善哉』という小説の本質も、この「とにかく飯を食おう」というところにあると思っている。」


芝居は予定が合わなくて残念ながら未見ですが、このチラシは大事にとってあります。
そして、このチラシを読むと必ず、高山なおみさんの名エッセイである『帰ってから、お腹がすいてもいいようにと思ったのだ。』(文春文庫刊)も読み返したくなります。



しかし、今は織田作の『夫婦善哉』を読み返します。
この小説には、今の小説や映画が失ってしまった何かがあるといつも思うのですが、それをちゃんと言葉にずっと出来ないままでいるのです…。