本屋さんの感想。

slowlearner_m2010-12-15



昨日も書いたのですが、本屋さんの感想をいただいています。
HPにも掲載させていただいたのですが、ここにも転載しておこうと思います。


「海炭市に生きる人々の5つの叙景。そのどれもがはりつめた白い空気の中できれそうな程、危なっかしいものだった。5つの物語を紡ぎだすように流れるジム・オルークの音楽もとても素晴らしいものだった。こういう小説を売りたい、僕は。」

ブックファースト アトレ吉祥寺店 林大貴


「まさに“叙景”だなぁと、ずっと感じさせられました。造船所のお兄さん、ねこのお婆さん、プラネタリウムの家族、ガス屋の家庭…どれも自分には遠い話なのに、切り取られた日常として、私の記憶をたたくようでした。最近、加瀬さんが気になっていて、過去の映画をいくつか観たのですが、全く別人のような役で 、何度も目をおおいたくなり…ただただ感心しました。」

ブックファースト 渋谷文化村通り店 酒本彩季子


「映画タイトルとフライヤーの1シーンが妙に気になっていて、予告を見て、ぜひ観たいと思っていました。ジム・オルークのかなしく優しい音楽が逸品。北の冬の灰色の世界が印象的でした。」

遠藤書店(世田谷区経堂) 佐藤さん


「こういう小説を売りたい、僕は。」なんて、泣けてきます。
こういう言葉を書けるのは素敵だと思います。
そうでなくては、ものを売っては、お客に手渡してはいけないのだと思います。
古本屋さんたちのことを好きなのは、少なくとも私の知っている古本屋さんたちに、お客さんに手渡したいものがある、からだと思います。古本は一度死んでしまったものなのかもしれません。失われてしまっても仕方がないものなのかもしれません。しかし、それを失われないように、どうしても失われてはいけないという思いに駆られて、彼らは一度死んでしまったものを、もう一度流通の中に価格をつけて押し戻そうとしているように感じます。

佐藤泰志さんが復活するその口火のひとつは西荻窪音羽館の広瀬さんをはじめとする西荻ブックマークの人たちの、そういった思いなのだと感じます。

本屋さんを対象にした試写ですが、いろいろな方達にも見てもらっています。
昨晩は、『ゲゲゲの女房』の脚本家である大石さんや、照明の平井さん、米屋役で出演してくれた渡辺謙作さんも来てくれました。それから『ディア・ピョンヤン』のヤン・ヨンヒ監督、『ハリヨの夏』の中村真夕監督、そして、詩人の正津勉さんなどなど多くの方が駆けつけて下さいました。吉祥寺のブックルーエの服部さんは、よくイヴェントにも来て下さるのですが、泣きはらした目で劇場から出て来て、とても嬉しかったのです…。



八百屋でも猫が店番。