ベイビー・イッツ・ユー

slowlearner_m2010-11-14



ついでなので、もう少し好きな映画のことを書きます。
ジョン・セイルズ監督の初期の作品が、やっぱり好きです。
偏愛していると言えるかもしれません。
まずは、『ベイビー・イッツ・ユー』。



ロザンナ・アークウェット主演の1983年作品。
1966年のハイスクールを舞台に、労働者階級の出身の少年とユダヤ系の豊かな家に生まれた少女との恋愛を描いた映画ですが、これはただの恋愛映画なのではなく階級差を描いた作品です。確かジョン・セイルズは、ハイスクールの時代は自分たちにとって最後の民主主義があった時代だった、というような発言をしていたように思います。つまり、ハイスクールでは、階級の差をあまり意識することなく恋愛することができたが、そこを一歩でると、それぞれの出自によってある、越えられない階級差を意識することになってしまう、というのです。



これは、1984年の『ブラザー・フロム・アナザー・プラネット』。
奴隷狩りから逃れ、地球に不時着した異星人“ブラザー”はニューヨークにたどり着くのですが、この“ブラザー”は黒人そっくりで、ハーレムの125番街に住み着くようになるのです。

日本では、ジム・ジャームッシュ監督とともにニューヨーク・インディーズとして紹介されました。この2本とも、ユーロスペースでの公開でした。見たのは、もちろん学生時代です。今でも、この2本の作品のことをよく思い出します。


当時、ユーロスペースで公開された作品で、ジョン・セイルズではありませんが、『子供たちによろしく』というマーティン・ベル監督のシアトルの売春やスリなどをしながら暮らす子どもたちのドキュメンタリー作品がありました。

原題“STREETWISE”というのですが、通りで賢くなるという意味ではなかったかと思います。



何度も見に行きました。
主題歌はトム・ウェイツの“Take Care of All My Children”。
もう一度フィルムで見たいです。