寒い一日。

slowlearner_m2010-11-04



よい天気でしたが、ちょっと肌寒い日でした。
でも、今日は一日デスクワークです。
やってもやっても終らない…。

昨日のイヴェントのことを、トークの司会もしてくださった岡崎武志さんがブログに書いて下さっています。http://d.hatena.ne.jp/okatake/20101103



最近は、ずっとこの本を読んでいました。
佐々木中さんの『切りとれ、あの祈る手を---〈本〉と〈革命〉をめぐる五つの夜話』(河出書房新社刊)です。これを読むと、誇りまみれの書架が武器庫に変容するような、そんな目眩がする、実践的な、そして衝撃的な本です。


「彼らは読んだ。読んでしまった以上、読み変えなくてはなりません。読み変えた以上、書き変えなくてはならない。読んだことは曲げられない、ならば書き始めなくてはならないのです。繰り返します。それが、それだけが『革命の本体』です。」


この本に全面的に賛意を覚えます。
小さなことですが、この本によるとドストエフスキーが『罪と罰』などの小説を書いていた頃、1950年頃の帝政ロシアの文盲(つまり文字が読めない人)の率は、全人口の90%〜95%だったそうです。ようするに10人いて9人は、文字を読むことができないのです。しかも、その一人も文字を知っていると言っても、自分の名前が書ける程度だったかもしれない、とのこと。衝撃でした。9割の人が読むことも書くこともできない中で、『カラマーゾフの兄弟』や『罪と罰』を、文学を書くということは、一体どのようなことなのでしょう。その孤独は、どういうものなのでしょう。


ドストエフスキーたちは、一割以下に賭けて勝利したのです。われわれは彼らの小説を翻訳で読める。それが自明のことだと思っている。全く自明ではない。奇蹟にちかいことなんです」