変な日

slowlearner_m2009-09-08



今日は、変な日でした。
はっきり言って、よく分からない過去に配給した作品の出演者に関する問い合わせが殺到。
その対応に追われていました。私見ですが、くだらないと思うので、ここにはこれ以上書きません。


その間を縫って、『海炭市叙景』の打ち合わせ、日向朝子組のキャスティングの詰めが続きます。集中したいのに、電話で集中できないのが、とても疲れます。やれやれ。


でもご近所さんは、



いつもとちょっとだけ違う場所で、ぐっすり。
猫はいいなぁ。猫は猫で大変なのですよ、と叱られそうですが。


夜になって、電話がおさまり、『ユダ』『泪壺』などの瀬々敬久監督作品などを執筆している脚本家であり、本人も“桃まつり”で監督作品『emerger』を発表している佐藤有記さんと脚本打ち合わせ。ここらへんで、やっと落ち着きました。



『emerger』です。
フェテシッシュであり、リリカルでもあり、何よりヒロインの造形がとても面白い作品でした。『ユダ』の前身となった脚本『豆腐屋☆幻走』をかつて読んだのですが、鮮烈でした。どこまで逃げ切ることが出来るか…そんな脚本だったのです。詳細は、こちらから。http://d.hatena.ne.jp/momomatsuri/20080207/1202541922


『片隅の迷路』を読み終ったばかりで、今日のような経験をすると、考え込んでしまいます。月並みですが、『片隅の迷路』が刊行されたのが1962年、もとになった徳島ラジオ商殺人事件は1953年の出来事ですが、わたしたちは何一つ変わっていません。

「自転車をひいて歩きながら、流二はうなだれていた。たそがれの町にたちこめる色も、音も、匂いも、なかった。事件に関係するようになってからさまざまな感情を味わったが、それほど心細かったことはなかった。とつぜん露骨な、残忍な、狡猾なものが眼のまえにあらわれて正体をさらけだしたように思ったが、これはとらえどころがないようでもあった。とほうもなく強大なものにはちがいないが、さて、形というものがなかった。」