佐藤泰志『海炭市叙景』映画化!!

slowlearner_m2009-03-30


佐藤泰志さんが書いた小説『海炭市叙景』が映画化に向けて動き出しました。
1990年佐藤さんの自殺によって中断されたこの連作短編小説は、翌年の91年に集英社から出版されました。わたしが、この小説を読んだのも、その頃です。とても好きな小説でした。佐藤さんの自殺の記事を、新聞で鈍い衝撃とともに読んだのを覚えています。

それから17年もの歳月が流れて、『海炭市叙景』は、『佐藤泰志作品集』(クレイン刊)に収録され突然復活しました。突然なのは、偶然入った本屋さんで見つけたからで、関係者の皆さんにとっては満を持しての刊行だったはずです。
久しぶりに『海炭市叙景』に再会しました。
その直後、友人の映画監督から、こういうの映画化できないかな、と、深夜のファミレスで見せられたのも『佐藤泰志作品集』の『海炭市叙景』でした。でも、その時も出来たらいいな、と思いつつ、この小説が映画化できるとは思いませんでした。



また、ある時には、西荻窪にある古本屋のHさんから、彼も中心になって行われた佐藤泰志さんのイベントのことを聞きました。そして、彼と佐藤作品について話し込んだ事もあったのです。

だから、函館の映画館シネマアイリスの菅原さんからお電話をもらい、一緒に『海炭市叙景』を映画化しないか、というお誘いを受けた時には、本当に驚いたのです。そして、もちろん断る理由は何一つありません。

監督は『ノン子36歳(家事手伝い)』の熊切和嘉監督。彼もまた北海道出身です。



海炭市叙景』の映画は、その一歩を踏み出しました。
佐藤泰志さんの故郷であり、『海炭市叙景』のモデルとなった街・函館で製作実行委員会が組まれ、募金協力を募るかたちでのスタートです。

疲弊した地方の小都市で生きる人々の映画。
函館にはまだ行った事がありません。わたしにとっての想像の“函館”は、“海炭市”であり、それはそのまま海沿いにある、わたしの故郷の街の姿でもあるのです。

もしご興味のある方がいらしたら、是非ご参加いただければこんなに嬉しいことはありません。


詳細は、こちらから。http://www.cinemairis.com/kaitanshi/