『私は猫ストーカー』主題歌!

slowlearner_m2009-03-26


鈴木卓爾監督作品、星野真里主演『私は猫ストーカー』も、粛々と完成に向けて作業中です。
音楽の蓮実重臣さんによる主題歌(しかもデュエット!)のデモがあがってきました!!



楽譜です!
この楽譜に、原作の浅生ハルミンさんと鈴木卓爾監督が歌詞をつけるのです…。

アニメーションの素材もハルミンさんからあがってきました。
少しだけ皆さんにご覧頂こうと思います!



この絵が動きます!


さて、六日目を迎えた『市川準監督のこと 追悼・市川準監督レトロスペクティヴ』です。
今日の上映は、『竜馬の妻とその夫と愛人』、『会社物語 MEMORIES OF YOU』、『つぐみ』、『病院で死ぬということ』でした。
そして、トークショー岸部一徳さんにいらしていただいて、お話をお聞きしました。



岸部さんと市川監督の出会いは、CM。CM傑作選の中で上映もされている「ナショナルインバーター」のCMでした。その後も、市川監督と岸部さんの親交は続き、『病院で死ぬということ』に岸部さんは、ガンの告知を受けた入院患者とその家族の闘病と、ターミナルケア(末期医療)に取り組む岡山医師の役で主演されることになりました。

病院で死ぬということ』は、素晴らしい作品です。
ターミナルケア(末期医療)に取り組む医師と看護婦の姿、治療を受ける患者とその家族の姿を、引いたカメラが静かに、そして優しく見つめるような映画です。その病院の日々の間には、四季を通じて撮影された市井に生きる人々の姿が挿入され、対比されます。



今回、この作品を見なして印象的だったのは、病院から人がふっと姿を消してしまうことでした。
姿を消した人、もちろんベッドの上にいた患者さんなのですが、その人は亡くなったのです。しかし、亡くなるところは撮影されません。人は、わたしたちの前からふと姿を消し、ベッドの上が片付けられ、そして新しい入院患者さんを迎えるために、またベッドの上が整えられます。

『buy a suit スーツを買う』もそうですが、“普通”に暮らしている、わたしたちは、このようにふっとこの世から姿を消すのでしょう。

大阪物語』の沢田研二さんが演じたお父さんも、そんな一人でした。
病院で死ぬということ』は、そのような姿を消す人たちを、市川監督は、優しく見つめているような作品です。



この映画を見ていると、なんだか勇気がでるようです。


岸部さんが演じる岡山医師が、別々の病院に入院しているお父さんとお母さんを短い時間でもいいから会わせたいと、家族から頼まれ、病院のロビーで話し合うシーンがあります。この撮影には台詞がなく、市川監督から、岸部さんが医師だったとしたら、どのような話をするか、と問われ、カメラが回されたのだ、と岸部さんはお話しされました。

その時に、役者にとって、日々の生活の中で、何を観て、何を考え、どんなことを蓄積しているか、ということが大切なのだ、ということを知った、と撮影を振返られていました。市川監督は、その役者が上手いとか下手だとか、これまで何をしてきたかとか、有名とか無名とか、そういうことを問題せず、別の考えで映画を撮られていたのではないか、何度も声をかけていただいて嬉しかった、とおっしゃって、トークを終えられました。


明日は、いよいよ『市川準監督のこと』は最終日です。
上映作品は、11:45〜『つぐみ』、14:00〜『ざわざわ下北沢』、16:15〜『竜馬の妻とその夫と愛人』、18:30〜『あおげば尊し』です。そして、18:30上映前のトークショーのゲストは、『あおげば尊し』に主演されたテリー伊藤さんです。
皆さんのお越しを心からお待ちしています。


さて、今日の「市川準監督のこと」は、キャスティングディレクターとして市川監督のCM、映画を支えられた米澤桂子さんです。