末永智也さんの「市川準監督のこと」
膨大にある気がしていたチラシも、事務所からすっかりなくなってしまいました。鈴木卓爾監督は、今日も神保町へ早稲田へとチラシ撒きに行ってくれました。本当にありがとう。そして、チラシを預かっていただいた皆さん、ありがとうございます。『市川準監督のこと 追悼・市川準監督レトロスペクティヴ』のチラシが皆さんのお手元に届きますように…。
さて、今日は朝日新聞マリオンの取材でディレクターの末永智也さんにお会いしました。末永さんが、市川監督とお会いしたのは16年前。就職したCM制作会社だったそうです。それ以来、スタッフとして市川監督の演出に関わってこられた末永さんに、今日は「市川準監督のこと」をお話ししていただきました。末永さんは、遺作となった『buy a suit スーツを買う』の助監督でもあります。
では、どうぞ。
昨日のユーロスペース北條支配人といい、末永さんといい、市川監督の話をしていると、食べ物の話になってしまうのが、ちょっと市川監督の人間味が溢れるところのようで面白いです。
末永さんは、はじめて市川監督のCMの現場に参加した時に、「僕の現場で勉強しないでね」と言われたそうです。
厳しい言葉です。
市川監督に限らず、それは“仕事”、それも“プロの仕事”の現場なのであって、“勉強”の場ではない、ということなのです。
もの作りに妥協のない、妥協したくない、市川監督らしい言葉だと思います。
末永さんは、この世界に入るきっかけになったのが、市川監督の『ノーライフキング』だったと、映像中でも言っています。
『ノーライフキング』
1989年/106分/製作=ニュー・センチュリー・プロデューサーズ、新潮社、サントリー 配給=アルゴ・プロジェクト
原作=いとうせいこう(新潮社刊) 脚本=じんのひろあき 音楽=はやしこば、鈴木さえ子 出演=高山良、中村伸郎、イッセー尾形、嶋田久作
「外に出てみて下さい。リアルですか?」テレビゲームにのめり込み、現実とゲームの世界が反転し、虚構がリアルに転じる子供たち。では、“リアル”とは何なのか? 子供たちにとっての“リアル”をアイロニカルに描き出した作品。
上映日:3/23(月)11:45〜
1回だけの上映になります。どうかお見逃しなく!