『私は猫ストーカー』監督ラッシュ!

slowlearner_m2009-01-16


本日は、鈴木卓爾監督作品『私は猫ストーカー』の監督ラッシュでした。
編集部が組み上げた映像を一度最後まで観て、ここから監督も参加して編集を詰めていきます。

昨日も書いたように、やはり鈴木卓爾監督の世界でした。
星野真里さんが演じたヒロイン・ハルは、野良猫と観るとその後を追わずにはいられない“猫ストーカー”。
星野さんは、人間関係の中で傷つき、そして人間関係に不器用なハルを、ひたむきで愛らしいヒロインとして演じていました。

人が自分の感情にこだわり、思いを抱えていく姿は、猫の視点から見れば、愚かしくも愛おしい存在なのかもしれません。猫になりたい、と思っているかもしれない、猫のように生きていきたいと思っているかもしれないハルは、揺れながらも、彼女の人生を生きていきます。

ハルは、人間の世界の中で、“生き難い”と感じているのかもしれません。
でも、ハルは「猫みたいに生きられればいいのに」と思いながら、迷いながらも日々をおくっていくのです。

そう言えば、原作の浅生ハルミンさんが現在連載しているWebちくまの「猫の目通信」を読んでいると、「私の中の猫が」という言葉が出てきます。例えば、

「猫は無銭飲食ができていいでしょう」と私の中の猫がポンと私の背中を叩いた。本当にそうだね。猫はタダでごはんが食べられていいなあ。

といった感じです。


浅生ハルミンさんの中には、猫が一匹棲んでいます。
その猫は、人間として生きる事はなんと難しい事でしょう、と言うのです。
ハルミンさんのエッセイから出発した映画『私は猫ストーカー』。
ヒロイン・ハルの中にもまた、一匹の猫が棲んでいるのです。

今日の写真は、制作室に張り出された香盤表です。