秋山駿さんの言葉

slowlearner_m2013-02-20



今日は、打ち合わせが1件。
長い時間になってしまいましたが。
協力できることは、なるたけ協力していきたいと思いました。
あとはデスクワークと編集を少し。


以前にも引用しましたが、岩阪恵子さんの小説『淀川にちかい町から』の講談社文芸文庫の解説の秋山駿さんの言葉に惹かれます。秋山さんは、岩阪さんのこの小説について、

「市井の言語のうちに見出される意味深長な言葉。あれは幾代かの蟻によって穿たれた穴だ。」

というボードレールの言葉を引いた後、阿部昭さんの『短編小説礼賛』に引かれたモーパッサンの言葉を書き付けます。

「人生は、この上もなく多種多様な、突発的な、相反した、ちぐはぐなものばかりで出来ている。残忍で、支離滅裂で、脈絡がない。説明不能の、非論理的な、矛盾だらけの、三面記事に組み込まれるべき異常事に満ちている。」

「…が、私は、モーパッサンの言に素直にはなれない。ふつうの人間の平凡な暮らしを描くとき、異常事などは要らない。私が期待するのは、まったく平凡な暮らしと、はるか彼方の天空とを垂直に結ぶ一本の線が見えること、である。」