30年後に。

slowlearner_m2011-07-03



「30年後に読み返すことのできる本を」。
この夏葉社の姿勢は、とても大事なことだ思います。
現在の日本で作られ、消費される商品と呼ばれるものの、いったいどれだけのものが、そのような意識のもとに生産されているかと思うと、ちょっと心許ない気がします…。



あくまでも自戒を込めて書くのなら、わたしたちは、夏葉社のような意識で映画を作り、配給としてお客さんのまえに提出しているでしょうか…。
以前、福音館書店の知人と話した折に、松居直イズムというものが残っているとすれば、どんなところに残っているか?と聞いたことがあります。
その時の彼の答えは、「30年読み継がれる絵本を作れ」という意識だろう、というものでした。
絵本は、母から娘へ、娘からまたその無理へと読み継がれるものだから。
映画にも本来、それは当てはまることなのです。映画が著作権ビジネスとするなら、尚更。
果たして、わたしたちが作っている映画は、30年後どうなっているでしょう。イレイン・メイ監督の『マイキー&ニッキー』が作られたのは1976年。30年以上前の作品です…。