本の読み方

slowlearner_m2011-03-27



先日のロケに『blue』の安藤尋監督にエキストラで参加してもらいました。
その時に立ち話で、この震災以降、本の読み方が変わりそうだ、という会話をしました。
あの日以来、確かに読む気になれない、読んでも読み進めることのできない本ができてしまったことは事実です。

何より、あの地震を、東京で、江戸川橋のビルの6Fのスタジオで体験した恐怖(実は凄い揺れだとは思いましたが、さほど怖いとは思わなかったのです。それは、東海大地震が起きると言われ続けて育ったことと関係があるかもしれません)と、その後の被害や自分が直面している状況との間にバランスがまだとれていないことも関係があるのかもしれません。



昨夜、スパイク・ジョーンズの新作短編『I'm Here』を見ました。
30分ぐらいの作品ですが、『かいじゅうたちのいるところ』よりも良い作品でした。
少し泣いてしまいました。



コーエン兄弟の作品が好きな訳ではありませんが、『ノー・カントリー』はある意味で興味深く見ました。



今回の現場を通して、思い出した映画です。
別に似ているとかそういうことではないのですが、アメリカという国が現在持っている気分みたいなものが鏡のように反映されている作品だと思います。わたしたちには、そんな映画も撮れないのではないか、と、この状況下の東京で撮影をしていて、そんなことばかり考えていました。



桜が少しだけ開きはじめました。