寄り道して、デロール。

slowlearner_m2010-08-23



昨日、動物園のことを考えつつ、本屋さんにいたら、こんな本を見つけました。
たくさんのふしぎ傑作選『好奇心の部屋 デロール』(福音館書店刊)です。
写真と文は、今森光彦さん。



デロールというのは、1831年に創業したパリにある博物商…剥製や標本、また自然学用の図版の業者のお店です。すごく有名なお店のようですが、寡聞にして知りませんでした。しかし、動物の剥製や昆虫や植物の標本、図版、鉱物や化石の標本から、剥製を作る為の素材まで所狭しと並ぶ店の中は、溜め息がでるくらい素敵です…。

http://www.deyrolle.com/magazine/

どんなに凄いかは、本を見ていただくとして、今森さんのこんな文章に惹かれました。


「ぼくは、小さなころからたいせつにしているチョウの図鑑を持っています。図鑑は、動植物の名前を調べるためだけにあるのではなく、絵本のように空想の世界へもさそってくれます。図鑑の中のチョウたちを見ながら、見知らぬいろいろな場所を旅したり、どれだけ想像を楽しんだことでしょう。デロールは、じっさいの剥製や標本を見せてくれる図鑑みたいだと、ぼくは思いました。」


この文章にとても共感します。
町の真ん中で育った私も、ご多分に漏れず図鑑少年でした。
昆虫図鑑や動物図鑑を見て、まだ見ぬ生き物達を飽かず眺めては、いろいろなことを夢想し、憧れ、その美しさに溜め息をついたものです。




ちょっと頭の中がグルグルしてきました。
読みかけの『ミュージアムの思想』(白水社刊)や、斎藤昌三さんの『フロベールの夜 モンスターの森』や、瀧口修造さんの部屋の断片が、まとまりなく頭の中を駆け回っているのです。



こんな本も児童書の棚にありました。
山田由香さんの『動物園ものがたり』(くもん出版刊)。
絵は、なんと高野文子さんです。