ジョン・カサヴェテス監督のこと

slowlearner_m2010-03-22



SWITCHのSPECIAL ISSUE『映画監督ジョン・カサヴェテス特集「アメリカに曵かれた影」』を久しぶりに拾い読みしています。
この特集号がなかったら、日本でカサヴェテス作品がこのように公開されることはなかったのではないかと思います。
雑誌がそれだけの愛情をもってひとつの特集を編集し、それだけの影響力を持った時代の“作品”です。

何度も読み返したり、人に貸したりしたのでボロボロです…。





「映画づくりで計画したり企画をたてたりしても意味がない。そりゃ少しは反映されるかもしれないが、人生は計画通りに進みはしないんだ。撮影しているうつに作品自体が反抗してくる。『君はそういうふうにやろうと思ってるんだろうが、こちらはそうするつもりはないよ』ってね」

「映画づくりに興奮しているときが幸福なんだ。ただあんまり真剣に取り組むと、いい結果をもたらさない。冗談で映画を作っているというぐらいのスタンスがいいようだね。もちろん心の中では作品がよくなるかどうか考えてはいる。だが結論は仕上がるまで分かりはしないんだ」

「明日はなにが起こるか分からない。映画づくり人生と同じだ。未来を予測することなんかできない。人生の曖昧な要素、突然に起きるエキサイティングなできごとを映像にとらえるためには、計画することは意味をなさない。俺たちはそうした未知の部分を浮き彫りにするために、お互いに尊重しあい愛しあう。こうした感情は現実にはみられなくなってしまったがね」