『私は猫ストーカー』事始め〜その13 撮影が始まった。

slowlearner_m2009-06-23



私は猫ストーカー』がクランクインしたのは、昨年の12/1だったと思います。
根津の路地を、ちょっと俯瞰目に歩くハルの歩きのシーンからでした。

「シーン1からクラインクインっていうのは、どうなんですかね」と監督。

「縁起がいいんじゃないの」

そんな会話をしつつ、撮影はスタート。


その後、路地裏に小さな公園に集合して、星野真里さんを交えて撮影の打ち合わせ。これからハルの猫ストーカーシーンを撮るのです。とにかく俳優猫は用意していないわけなので、猫がいたら、星野さんがハルになって実際に猫ストーカーする。それをカメラは撮るのです。根津は路地の町です。猫がいたら、カメラは路地の向こう側から、星野さんはこっち側から猫ストーキング、そしてスタッフは、こちらに逃げてとフォーメーションA、B、Cの3パタンーンを助監督松尾くんが決めて、いざ撮影へ。


すると



いたいた。

星野さんは、目線を低くというハルミンさんの教えを守って、姿勢を低く低く。ジーンズが汚れるのをもろともせず、四つん這いになって、そのうち道路に寝ころんでしまいます。星野さんは、すごい、と思います。とにかく誰が指示を出したのでもなく、そして嫌がることなく、星野さんがすすんで、道路に寝ころんでくれたので、撮影はぐっと気合いが入りました。星野さんは、猫ストーカーなのだから当然です、という顔をしていましたが、改めて見ると「猫ストーカー」とは、相当奇妙な人です。もっとも初号で作品を見た星野さんは、「ちょっと恥ずかしい…」とおっしゃっていましたが。


映画をご覧になった方は、「これだけ猫を撮って、すごく時間がかかったでしょう?」とおっしゃいます。
いえいえ、きっと猫の町にも、「撮影に協力してやれ」と回覧版が回ったのだと思うのです。数えたら30匹くらいの猫たちを、2日間ほどで撮影しました。


とにかく古書店とハルの部屋の撮影以外は、ずっと町にて、ロケハンからずっとよく歩く撮影でした。
それは、猫ストーカーシーンの撮影方法もそうですが、低予算の小さな組であることを逆手にとり、このチームが編み出した撮影方法でした。

とにかく歩く、ひたすら歩く。
谷根千の路地という路地を歩き、歩かなかった路地はない、というくらいに歩きました。


私は猫ストーカー』は、歩く映画でもあります。