宮本まさ江さんのトークショー!

slowlearner_m2009-04-17



渋谷ユーロスペース、梅田ガーデンシネマで上映中の市川準監督『buy a suit スーツを買う』。今日は、渋谷ユーロスペースで衣裳の宮本まさ江さんのトークショーでした。『会社物語 MEMORISE OF YOU』で市川監督と初めてお仕事をされたとき、それまでは二時間ドラマなどの衣裳が多かった宮本さんにとって、二本目の映画のお仕事だったそうです。



壇上の宮本さんと末永さんです。

市川準監督のこと』でご覧になった方もいらっしゃるのではないかと思いますが、市川監督とハナ肇さんの妥協のないぶつかり合いが、この傑作『会社物語 MEMORISE OF YOU』を生んだのだという事が、宮本さんのお話から分かります…。

それまでは分業されることが多かった衣裳と持ち道具を、宮本さんは、市川さんの現場で一緒にやることにしました。例えば、服は衣裳が選び、靴は持ち道具さんが選ぶ、といった分業を、その登場人物が身につける物だから、と、宮本さんはその全部を衣裳がコーディネートすることにしたのです。

その仕事の仕方を、市川監督はとても喜んでくれたそうです。

市川監督の衣裳合わせも独特で、衣裳合わせの時、その服を着て、実際に衣裳部屋の中を歩いてもらったりするそうです。『buy a suit スーツを買う』の衣裳合わせでも、ユキと兄のヒサシに衣裳を身に着けてもらって、それから衣裳部屋を歩いてもらい、その姿を見て、また衣裳に修正を加えるということを何度も繰り返されたそうです。



最後に、市川監督が宮本さんに渡した『ヴィヨンの妻』の資料を見せていただきました。それは、グリーンの一冊のアルバムでした。




そこには昔の映画の画面をカメラで撮影した写真が、幾枚も貼られていました。小津安二郎監督や木下恵介監督、小林正樹監督の映画です。こういうふうに撮るから、勉強しておけよ、と、監督は宮本さんにこのアルバムを渡されたそうです。

その『ヴィヨンの妻』も、見ることはできません…。



『buy a suit スーツを買う』や『TOKYOレンダリング詞集』の音楽を担当された松本竜之介さんも見に来て下さいました。宮本さんと松本さんです。

来週金曜日のトークショーは、『私は猫ストーカー』の鈴木卓爾監督が登場です。お楽しみに。