『私は猫ストーカー』音響設計!

slowlearner_m2009-04-02



鈴木卓爾監督、星野真里主演『私は猫ストーカー』(7/4からシネマート新宿でロードショー! その後、全国順次公開予定)の製作は、最終コーナーを曲がりました! 今日は、音響設計の菊池信之さんのスタジオで、整理された音付きの映像を見ながら、監督、菊池さん、助手の高田さんとで長時間打ち合わせでした。

これまで菊池さんに作業をすすめていただいてた音を聞いて、音響設計の方向性を決めていくのです。菊池さんは、いわゆる効果音を使いません。それを菊池さんは、「(いわゆる)効果音には“経験”がない」という言葉で、説明してくれます。前にブログでも書きましたが、音ロケをして、撮影場所に流れる音を録音して、それを素材にして今回も音を構成していくのです。



先日の音ロケの後、もう一度、助手さんたちが撮影場所である根津、谷中方面の音ロケを敢行したようです。
撮影の時の音、そして2度にわたる音ロケの音…。その場所に、いつも流れている音もあれば、その日、その日によって違う音が鳴っていることもあるでしょう。『私は猫ストーカー』という一本の映画の中に、それぞれの“経験”を持った音が、幾重にも折り重なっていくのです。

今回の音付きの映像を見て、面白かったのは、菊池さんが、猫ストーカーをしながら星野さんが演じるハルが呟いている言葉を、ひとつひとつクローズアップしていたことでした。出会った猫たちに話しかけるハルの言葉は小さな声なので、リップが動いているのは分かっても、編集中には何を話しかけているのか聞くことは出来ませんでした。

菊池さんは、その小さな呟きをクローズアップして、彼女が何を話しているのか聞こえるように整音してくれました。ハルは猫ストーカーをしながら、様々な言葉で猫たちに話しかけていました。するとどうでしょう。綴られた映像から、より鮮明に“ハルと猫の時間”が浮かび上がってきたのです。



音の作業は面白いと思います。
音の作業によって、わたしたちの目に、ハルというひとりの猫ストーカーの女の子像が、より豊かに膨らみはじめたのです!


さて、絶賛上映中の『バサラ人間』。明日の活弁上映は、下記の2本だてです。

クレイアニメ ピートト』(キャラクターデザイン/リリーフランキー)

レズビアンシティ新宿』

お楽しみに!