今日は、市川準監督追悼上映の打ち合わせでした。

slowlearner_m2009-01-22


今日は変な天気でした。
ザァッと降るでもなく、寒いからと言って雪になるわけでもなく…。


さて、今日は3/21から渋谷ユーロスペースで行われる市川準監督の追悼上映の打ち合わせでした。
メンツは、市川準事務所のKさん、『buy a suit スーツを買う』にも出演されているCMのプロデューサーのSさん、市川監督のCMや映画のキャスティング・ディレクターのYさん、助監督だったKさん、そして同じく助監督だったIさん。
市川準監督お別れの会のメンバーでもあります。


プログラム、それから毎日開催する予定のトーク、それからこれからやらなければならない作業の内容と分担について。
まだ詳しくはお伝えできないですが、様々なアイディアが出ました。
市川監督とは御生前、劇場からのリクエストもあって、『buy a suit スーツを買う』の上映の際に、市川監督のこれまでのお仕事、CMから映画までを俯瞰するような企画、例えば“市川準大全”のような上映をやりたいとお話ししていました。
それが、追悼上映という形になってしまったのは、残念なのですが…。


今回の追悼上映は、皆さんに市川準監督のお仕事を俯瞰してもらえるような上映になりそうです。
それは、まだまだ煩雑な作業を必要とします。


打ち合わせをしていると、皆さんが市川監督がどんなに好きだったが伝わってきます。


市川監督が亡くなった日のことは、今でも忘れられません。
マスコミとの対応を終えて、家に戻って、ひとりで映画デビュー作である『BU・SU』を見ました。


そして、原由子さんの「あじさいの歌」が流れるクレジットで意外な名前を見つけました。


撮影協力:田村正毅


ああそうか…。
市川監督がコンビを組んだキャメラマン小林逹比古さんは、田村さん(現在は、平仮名でたむらまさきと表記します)の助手を務めた方でした。
たむらさんは、『砂の影』そして、今回の『私は猫ストーカー』のキャメラマンでもあります。


『BU・SU』は、とてもいい映画でした。
主演の富田靖子さんは、性格ブスというより、不機嫌な少女でした。少女らしい不機嫌さを持っているという方がよいでしょうか。映画のラストで一度だけニッコリする以外は、彼女はほぼ一度も笑いません。なのに、麦子(富田さん)は、とても美しく、魅力的でした。
クラスの中で孤立する彼女が、文化祭で、ひとりで人形振りの八百屋お七を踊るシーンで、涙が出ました。

田舎から東京に単身出て来て、芸者の卵として神楽坂を走る麦子の姿は、大阪から初めて上京して、失踪した兄を探して東京の風景の中を移動する『buy a suit スーツを買う』のヒロインの姿に重なります。


市川監督が少女に託して描こうとした“東京”。
この間には、どんな違いがあるのでしょう…。
ここに、東京をという街を見続けた市川監督の20数年があるのだと思います。