ほんとうに、あれは何の匂いなのでしょうか？
校長先生は、中学校の匂いですよ、と笑っておっしゃっていたのですが。
床に塗るワックスの匂い？
そう言えば、乳白色のワックスを掃除の時間に定期的にタイルに塗っていたのを思い出しました。しかし、あの匂いが、それなのかは分かりません。昨日うかがった別の中学校では感じませんでしたし。
確かなのは、匂いに誘い出されるように、いろんなことを思い出したことです。人間の記憶は、どのように保存され、すっかり忘れていたはずの記憶は、どのように引き出されるのでしょう？
そのことについて書かれた刺激的な本、中井久夫さんの『徴候・記憶・外傷』を思い出しました。
