劇場から生まれる映画

slowlearner_m2010-11-25



今日は、ひとり静かにデスクワークです。
打ち合わせが入っていると思い込んでいたのですが、それは明日だったのでした。

海炭市叙景』の公開が間近に迫りました。
函館の市民の手によって、というのも大切ですが、この映画が映画館から生まれた映画である、という側面も同じくらい大きな事ではないかと思います。

この映画の言い出しっぺは、函館の映画館シネマアイリスの菅原さんです。
映画館が言わば、映画を売る“お店”です。
自分たちが本当に売りたいものを、自分たちの手で作ろうとしたのが、『海炭市叙景』という映画なのです。




昔、まだブックファーストが渋谷で大きな店舗だったころ、そこの書店員の人たちが、ある地味な小説を、みんなに読んで欲しくて、すごく努力し、悩んでいるのを知っています。他のものに置き換えると分かりやすいかもしれません。八百屋さんが、ほんとうにみんなに食べさせたい野菜を自分で作る、とか。

海炭市叙景』も、ほんとは『ゲゲゲの女房』も、そういう映画なのかもしれません。
先日、『ゲゲゲの女房』の映画化の背中を押してくれたのはユーロスペースの北條さんで、制作している時も快く劇場を貸してくれた、と書きました。



海炭市叙景』もまた、膨大なクレジットをよく見てもらうと、ユーロスペースの北條さんとスタッフの名前が入っています。制作中に、やはりある必要があって、上映後の劇場を貸していただいたのです。



それから、クレジットには、いろいろな方達に混じって、札幌のシアターキノや帯広のCINEとかちなど北海道の劇場の名前も見ることができます。『海炭市叙景』のHPにも、この映画を上映していただく劇場の方達のコメントが幾つもアップされているのです。http://www.kaitanshi.com/comment.html



大切なことだと思うのです。




そう言えば、昨日の夜、突然に草野イニくんから電話がありました。
草野くんは、『俺たちに明日はないッス』で安パイ役で出演してもらった俳優さんです。



劇場で『ゲゲゲの女房』を見てくれて、劇場を出てすぐに「すごくよかったです!」と電話をしてくれたのです。
ほんとうに嬉しいです。
草野くん、ありがとう。