『海炭市叙景』の原作、文庫化決定!

slowlearner_m2010-08-14



熊切和嘉監督作品『海炭市叙景』。
その佐藤泰志さんによる原作が、10/7に小学館文庫で発売されることになりました!
原作の『海炭市叙景』は、18の短編による連作小説です。ほんとうは36の短編連作として構想されていたそうですが、作者の死によって未完に終りました。

第1章は「物語のはじまった崖」と題され、第2章は「物語は何も語らず」と題されています。第2章まで読み進めて、この「物語は何も語らず」というタイトルを目にすると、いつも胸が締め付けられるような思いがします。佐藤さんは、この短編連作を、どのように閉じようとしていたのでしょう…。

ともあれ、ほとんど忘れられていたといってもおかしくはない佐藤さんの小説が、文庫として甦るのは嬉しいです。
映画を見る前に、見た後に、是非読んで下さい。


現在は残部稀少かもしれませんがクレインから出版された『佐藤泰志作品集』には、『海炭市叙景』をはじめ、『きみの鳥はうたえる』『移動動物園』『そこのみにて光輝く』や単行本未収録作品、詩、エッセイが収録されています。こちらも是非読んでみて下さい。






今日は、トンボの捕食をはじめて間近で見ました。近くにとまってくれて、全然わたしを畏れないトンボだったのですが、飛び去ってすぐ戻ってきたと思ったら、獲物を口にくわえてモグモグやっていたのです。今年は不思議な夏です。