『赤道地帯』と『コロンブスの犬』

slowlearner_m2010-04-25



今日は、雲一つない晴れで、暖かな一日でした。
こういう日は楽ちんです。
首に爆弾を抱えているので、雨の日は好きですが体調的には苦手です。





“オマージュ津田新吾”の棚を見てから、管啓次郎さんの著作を読み返しています。



左は、管さんが翻訳したジル・ラブージュの反-旅行記『赤道地帯』、右は管さんの『コロンブスの犬』です。どちらも弘文堂から“コレクション・ブラジル”の一冊として出版された本です。『狼が連れだって走る月』もそうですが、折に触れて読み返します。

「私の生涯においてしばしばそうであったように、そのときも私はとりわけ想像力の欠乏によって守られていたのです」。今年、八十歳をむかえるレヴィ=ストロースは、半世紀まえの危険に満ちたブラジルの旅をふりかえって、微笑しながらそういう(『近くから遠くから』)。なんていう真実だろう! 旅行の最大の敵は想像力、神話、濃密な記憶だ。どれもが認識と行動を透明なバリアーでさえぎり、運河のように秩序づけられた回路へと流してしまう。旅そのものを、いわば物質的に、ありのままの姿で生きるためには、記憶のドレスや想像のハイ・ヒールを脱ぎ捨てて、はだかではだしで土地の泥に足を汚さなければならない。でも、それはむずかしい。ほんとうにむずかしい。


『赤道地帯』訳者あとがき

…習得してしまったものを払い落としてゆく技術、それこそぼくらにもっとも欠けているものじゃないかって、ずっとそんな気がしている。


コロンブスの犬』