帰って来たら…。
帰って来たら、お供え餅が割れていました…。
さて、浅生ハルミン原作、星野真里主演、鈴木卓爾監督作品『私は猫ストーカー』は、この後は、大津・滋賀会館シネマホール、シネマテークたかさき、那覇・桜坂劇場での上映があります。
大津・滋賀会館シネマホール 12/26〜1/11 http://www.rcsmovie.co.jp/shiga/
高崎・シネマテークたかさき 1/9〜 http://takasaki-cc.jp/
那覇・桜坂劇場 2/27〜3/5 http://www.sakura-zaka.com/
是非ご覧いただければ幸いです。
昨日は、今年の猫ストーカー初めでした。
ピアニストであり作曲家の高橋悠治さんの『カフカ 夜の時間』を再読しています。
何度でも読む本です。読む度に新しい発見があります。
今回惹かれるのはブゾーニの「新音楽のスケッチ」の一章を引用したところ…。
ブゾーニは、ニーチェの『善悪の彼岸』の一節を引きます。
「わたしのおもいえがく音楽のたぐいまれな魔力のもとは善悪からの完全な離脱にある…そのような芸術のもとへ逃れてゆくものには、滅びゆく道徳世界ははるかに色あせて、ほとんど見分けもつかない。それは行き暮れた逃亡者もあたたかくむかえ、ふところ深くかくまってくれるような芸術だろう」
その後で、トルストイの「ルチェルン湖」のなかで、風景の印象を音楽的印象に変換している箇所を引きます。
「湖にも山にも空にも一本の直線、一つの原色、一個所の静止点もない……いたるところに運動、不規則性、きまぐれ、変化、影と線の絶え間ない戯れ、そしてそのなかに美のやすらぎ、調和と必然性のすべてがある」
そしてブゾーニは、こう書きつけているそうです。
「この音楽が実現される時ははたしてあるのだろうか?」