音楽、アニメーション打ち合わせ

slowlearner_m2009-01-20


昨日もブログで書いた通り、今日は鈴木卓爾監督作品『私は猫ストーカー』の音楽とアニメーションの打ち合わせでした。

スタッフルームに集結したスタッフを見ながら、卓爾監督が、「第三次“私は猫ストーカー”の始まりですね」と呟きます。そうですね、と相づち。脚本を詰めて行く段階が第一次、撮影が第二段階とすれば、仕上げは第三段階です。まさに本格的に第三段階が始動をはじめました。

音楽の蓮実重臣さんが、「映画の最後は、やっぱり歌ですね。“猫ストーカー”の歌を作りましょう」とおっしゃいます。
ええっ、歌ですか。
歌必要ですよ。ゆっくり相談しながら作りましょう。
なんだが、低予算映画なのにひどく贅沢なことになってきました。
蓮実さんと監督で、それぞれがこれまでにどんな風に映画音楽を作って来たかを話し合います。

音楽打ち合わせに続き、アニメーションの打ち合わせ。
私は猫ストーカー』にアニメーション? と思われる方もいらっしゃるかもしれません。実は、メインタイトルやラストのクレジットが流れるところで、原作の浅生ハルミンさんのイラストをアニメーションで動かそうと思っているのです。そこで、山村浩二さんとのお仕事を通じて知り合ったアニメーション批評の土居さんを介して、若手作家である大山慶さんをご紹介いただいたのです。
今回参加していただくことになったのは、大山慶さんと同じく若手作家で、やはり『Tokyo Loop』にも参加していた和田淳さん。
単に絵を動かすだけでは面白くありません。
ここにもさりげなく“実験”を織り込ませたいのです。

山村浩二さんは、『頭山』からのお付き合いになりますが、彼は絶対、自分の仕事を“アニメ”と短縮して呼ぶ事はしない方でした。そして、全ての絵を、ひとりで描き、作品を作り上げる自分の方法を、大勢のスタッフで作られるいわゆる“アニメ”と別の表現と考えていました。

それは、自分の仕事の方法論に対する自負でも、自分を追い込んでいくことでもあったと思います。大山さんも和田さんも、そのような山村さんの考えを受け継ぎ、自分なりのやり方で押し広げようとしている方たちです。

ひとまず繋ぎ終った『私は猫ストーカー』を最初から見て、編集の菊井さんも交え、今後の直しの方向性の確認。

私は猫ストーカー』は小さな小さな映画です。
でも、とても贅沢な映画なのかもしれません。

今日の写真は、大山さんたちが用意してくれたアニメーション部分のコンテです。